クロムハーツを一躍有名にしたのは銀製のアクセサリー。
粗野で繊細で美しい、それを生み出す独特の技法とセンスは、発表からわずかでバイカーたちの心を虜にしていきました。
◇シルバーアクセサリーはいまなお不滅。
クロムハーツの主力商品といえば「シルバーアクセサリー」です。
もともとはバイク用の皮革製品に使うボタンやファスナーからスタートしていましたし、もちろん当時はまだ無名の状態でした。
ところがある時期を境に、彼が作ったシルバーアクセサリーのデザインの斬新さが広がり、クロムハーツは表舞台へと引きずり出されることになったのです。
原点は、日々扱っていたボタンやファスナー。
創作へのイマジネーションは、それ以前から湧いていたようです。
◇マス広告に頼らない芸術家としての道。
いまで言えばネットの口コミでいっきに拡散する感じ。
特段の広告を打ったりチラシをばらまいたりすることなく、全米のバイク愛好家に広まっていきました。
マス媒体の力に頼らずコツコツと創作に励む姿は、まさに芸術家。
一見すると荒々しく、目を凝らせば驚くほど繊細という作風は、現在でもまったく変わっていません。
◇大々的なマーケット戦略に乗らない単独商品としての販売。
それがまたクロムハーツの希少性を高めていきました。
噂になり有名になるステップにおいては、大人数のスタッフを抱えて行なう大量生産方式に乗り出すことが通例です。
しかしクロムハーツは頑として譲らず、自分の製作スタイルを貫きました。
少数精鋭の集団です。
そうしたことも希少価値を醸成させた一因です。